金属熱処理ガイド
熱処理って何?
熱処理とは
熱処理(ねつしょり、heat treatment)とは、形状加工と同様に素材の完成度を高める方法であり、加熱・冷却により素材の性質を変化させる処理のこと。金属などを加熱・冷却して硬度や性質を変化させること。
焼入れ
焼入れ(やきいれ、「焼き入れ」とも。quenching)とは、鋼をオーステナイト組織の状態に加熱した後、水中または油中で急冷することによって、マルテンサイト組織の状態に変化させる熱処理である。冷媒により、水焼入れや油焼入れの呼称がある。日本刀を鍛える際に用いられる手段でもある(日本語名詞「刃(やいば)」の語源は、ヤキハ(焼入れをした刃)である)。炭素量が0.3%以上でないと、焼入れ効果は期待できない。
鋼の硬さを増大させる目的で行われるが、靭性が低下するので、粘り強さを得るために、焼入れ後には焼き戻し (tempering) を行うのが一般的であり、両者をまとめて「QT処理」と呼ぶことがある。
焼戻し
焼なまし
焼ならし
高周波焼入れ
浸炭
ショットピーニング
表面処理
表面処理(ひょうめんしょり、surface treatment、surface finishing)は、機械工学等の分野においては、めっきや塗装など、素材表面の性質を高めるために行われる機械工作法の一種である。硬さや耐摩耗性、潤滑性、耐食性、耐酸化性、耐熱性、断熱性、絶縁性、密着性、および、装飾性や美観など、これらの性質のいくつかを向上させることを主要な目的として施される。
材料技術 (cf.) の一分野であり、加工、熱処理、溶接、鋳造などの材料プロセス技術分野と並立する存在である。
●黒染め・・・鉄鋼の表面に緻密な酸化被膜を形成させ錆を防ぐ処理です。簡単に言えば、鉄の表面を錆びさせそれ以上、錆が進行しないようにする処理のことです。
他の呼び方:四三酸化鉄被膜。
●パーコリューブライト・・・鉄鋼の表面に結晶性のリン酸皮膜を生成させ、錆を防ぐ処理のことです。
他の呼び方:パーカーライジング(日本パーカーの製品名)、リン酸塩処理
●パーカー・・・リン酸塩皮膜処理(りんさんえんひまくしょり)とは、リン酸鉄、リン酸亜鉛、リン酸マンガンなどのリン酸塩の溶液を用いて金属の表面に化学的にリン酸塩皮膜を生成させる化成処理のこと。
工業用途で本格的に発展させたパーカー兄弟の姓をとって、「パーカライジング」「パーカー処理」とも呼ばれる。
主に鋼の表面処理の一つであり、表面に不溶性のリン酸塩 皮膜を作り表面の腐食の進行を抑えるために行う。塗装前の鉄製品にたいしても行われる。
腐食を抑える表面保護効果のほかに、塑性加工時の潤滑剤の用途としても用いられる。この目的にはリン酸カルシウムなどが多く使われ添加物の使用、液温を制御したリン酸塩溶液を用い、さらに化成処理時間を調整することによって皮膜の性質を変化させることができる。